建設現場では、よく「段取り八分」という言葉を使います。
実際に30年以上この仕事をしてきて、
仕事の出来栄えは、作業を始める前にかなり決まっている。
と感じることがあります。
今日も現場のことを考えながら、改めて段取りについて感じることがありました。
段取りというと、
材料を準備する。
人員を配置する。
工程を確認する。
必要な工具を揃える。
そんなことをイメージすると思います。
もちろん、どれも大切です。
ただ、私が最近特に意識しているのは、
「自分の次に仕事をする人が、スムーズに動ける状態をつくること」
です。
自分の仕事だけで考えない
例えば電気工事では、自分たちだけで仕事が完結することはほとんどありません。
建築。
設備。
内装。
弱電。
さまざまな業種が同じ現場で仕事をしています。
自分たちにとって都合の良い順番でも、次の業者さんにとっては仕事がしにくいこともあります。
逆に、
「ここまで先にやっておけば、次の人が仕事をしやすいだろう。」
と考えておくことで、現場全体がスムーズに進みます。
良い段取りとは、自分のためだけではなく、周りの人のためでもある。
そんなふうに思います。
一歩先ではなく、二歩先まで考える
若手社員には、まず「次に何をするか」を考えてほしいと話しています。
しかし経験を積んできたら、もう一歩先まで考えてほしい。
今日この作業をする。
その次に何があるのか。
さらに、その作業が終わったら誰が入るのか。
そこまで想像できるようになると、段取りの質は大きく変わります。
材料が足りない。
人が足りない。
他業種と作業が重なった。
現場では、こうしたことが必ず起こります。
すべてを予測することはできません。
それでも、
「何が起こる可能性があるか」
を事前に考えておけば、問題が起きた時の対応も早くなります。
良い段取りの現場ほど、慌ただしくない
不思議なもので、段取りの良い現場ほど静かに仕事が進んでいるように見えます。
材料を探して走り回らない。
次の指示を待つ時間が少ない。
作業のやり直しが少ない。
それぞれが自分の役割を理解している。
だから、忙しくても必要以上に慌ただしくありません。
私は、
「忙しそうに見える現場」と「仕事が進んでいる現場」は違う
と思っています。
人がたくさん動いていることよりも、一つひとつの動きが次の仕事につながっていることの方が大切です。
段取りには「余白」も必要
そして、もう一つ意識したいのが、
予定を詰め込み過ぎないこと。
現場では予定外のことが必ず起きます。
急な変更。
追加工事。
材料の遅れ。
他業種との調整。
予定を100%詰め込んでしまえば、一つ予定が狂っただけで全体に影響してしまいます。
少しの余白を持つことも、立派な段取りだと思います。
段取りは、相手への思いやり
結局のところ、
段取りとは単なる効率化ではないのかもしれません。
次に仕事をする人が困らないようにする。
お客様を待たせないようにする。
仲間が無駄な動きをしなくて済むようにする。
問題が起きそうなら先に共有する。
そう考えると、
段取りとは、仕事における「思いやり」の一つ
なのだと思います。
今日やるべき仕事だけを見るのではなく、
明日、その先まで想像する。
トップ電工でも、そんな一歩先、二歩先を考えられる人材を増やしていきたいと思っています。
良い施工は、良い段取りから。
そして良い段取りは、
「次の人のことを考える」ことから始まる。
今日もそんなことを改めて感じました。