現場で仕事をしていると、一日は本当に早く過ぎます。
朝礼をして、作業を始めたと思ったら、打合せや確認事項が入り、材料を準備し、気づけばもう夕方。
忙しい現場ほど、
「今日は何をしていたんだろう。」
と思うくらい、あっという間に時間が過ぎることがあります。
しかし同じ8時間でも、仕事が大きく進む日と、なかなか進まない日があります。
その違いは何なのか。
私は、
時間そのものより、「時間の使い方」に差がある
のだと思っています。
一番もったいないのは「探す時間」
現場で意外と多いのが、
工具を探す。
材料を探す。
図面を探す。
誰かを探す。
確認する相手を探す。
といった「探す時間」です。
一回なら数分かもしれません。
しかし、それが一日に何度もあり、現場にいる全員が同じことをしていれば、かなりの時間になります。
だから整理整頓は、単に現場をきれいにするためだけではありません。
時間を生み出すための仕事でもある。
そう考えると、整理整頓の意味も少し変わって見えてきます。
朝の10分が、その後の数時間を変える
現場に着いて、すぐ作業を始めたくなる気持ちは分かります。
ですが、その前に、
今日は何を終わらせるのか。
誰がどこを担当するのか。
必要な材料は揃っているか。
他業種との取り合いはないか。
そこを確認してから動いた方が、結果として早いことがあります。
作業を始めることを急ぐより、仕事が止まらない状態をつくる。
これも時間の使い方だと思います。
「急ぐ」と「早く仕事をする」は違う
現場では工期がありますから、スピードも大切です。
しかし私は、
急いで作業することと、仕事が早いことは違う
と思っています。
慌てて施工して、間違えてやり直す。
確認を省いて、後から直す。
材料を持たずに作業場所へ行き、何度も取りに戻る。
これでは、一つひとつの動作が速くても、全体では時間が掛かります。
仕事が早い人ほど、意外と慌てていません。
次の作業を考えている。
必要なものを先に準備している。
確認すべきことを先に確認している。
だから仕事が止まらないのだと思います。
優先順位を考える
現場では、やることが同時にいくつも発生します。
そんな時に大切なのは、
「何から手を付けるか」
です。
自分の作業だけで考えるのではなく、
これが遅れると他業種が止まる。
この確認を今日しないと明日の作業ができない。
この材料は納期が掛かるから先に手配する。
そんなふうに、現場全体への影響を考えて優先順位を決める。
経験を積むほど、この判断が上手になっていきます。
若手には「空いた5分」を大切にしてほしい
若手社員には、まとまった時間だけが仕事ではないことも覚えてほしいと思います。
作業と作業の間に5分空いた。
先輩が打合せをしていて少し待つことになった。
そんな時に、
材料を整理する。
工具を片付ける。
次の作業を確認する。
図面を見る。
先輩の仕事を観察する。
できることはたくさんあります。
5分では大したことはできないと思うのか、5分あれば一つできると思うのか。
その小さな違いが、1年後には大きな差になると思います。
時間は「余らせる」くらいがいい
そして、予定を100%詰め込まないことも大切です。
現場では必ず予定外のことが起こります。
急な変更。
追加工事。
お客様からの相談。
他業種との調整。
予定をいっぱいにしていれば、一つの変更で全体が崩れてしまいます。
少し余裕を持っておく。
これは決して暇にするという意味ではありません。
予定外のことに対応できる時間を、最初から確保しておく。
これも立派な段取りです。
時間を大切にすることは、人を大切にすること
現場の時間は、自分一人だけのものではありません。
自分の準備が遅れれば、誰かを待たせる。
確認が遅れれば、次の業者さんが仕事をできない。
逆に、自分が一歩先に準備しておけば、周りの人がスムーズに仕事をできます。
そう考えると、
時間を大切にすることは、周りの人の時間を大切にすること
でもあると思います。
トップ電工も現場数が増え、社員も増えてきました。
一人の10分は小さくても、会社全体で考えれば大きな時間になります。
だからこそ、
速く動くことだけを求めるのではなく、
無駄な時間を減らし、必要なことに時間を使う。
そんな働き方を会社全体で身につけていきたいと思います。
現場で大切なのは、
「忙しく動くこと」ではなく、「仕事を前に進めること」。
今日一日の時間を何に使うのか。
その小さな意識の違いが、現場の生産性にも、自分自身の成長にもつながっていくのだと思います。