現場を見ていると、
「やっぱりベテランはすごいな。」
と感じる瞬間があります。
作業が速い。
仕上がりがきれい。
難しい施工を簡単そうにやってしまう。
もちろん、そうした技術力にも驚かされます。
しかし私が最近特に感じるのは、もっと別の部分です。
それは、
「まだ起きていないことに気づく力」
です。
ベテランは「今」だけを見ていない
例えば図面を見た時。
若手は、
「ここに配管するんだな。」
「ここに照明器具を取り付けるんだな。」
と、まず自分の作業を考えます。
これは当然のことです。
ところが経験のある人は、同じ図面を見ても少し違います。
「このルートだと後で設備屋さんとぶつかりそうだな。」
「ここは天井ができる前に施工しておいた方がいい。」
「この納まりだと仕上げの時に苦労するかもしれない。」
今やる仕事だけではなく、
二手、三手先まで見ている。
この違いは大きいと思います。
トラブルが起きても慌てない
現場では、予定通りにいかないことが必ずあります。
図面と現場が違う。
予定していたルートが使えない。
急に工程が変更になる。
他業種との取り合いが発生する。
そんな時にも、ベテランは比較的落ち着いています。
それは、問題が起きないからではありません。
過去に似たような経験を何度もしているからです。
「それなら、こっちからいこう。」
「先にここを確認しよう。」
と、すぐ次の選択肢が出てくる。
経験とは、困った時に使える「引き出し」の数なのかもしれません。
作業が速いのではなく「無駄が少ない」
ベテランの仕事を見ていると、ものすごく急いでいるようには見えないことがあります。
それなのに、仕事が早い。
なぜだろうと考えると、
必要な工具を最初から持っている。
材料を使う順番に置いている。
何度も同じ場所を往復しない。
施工する前に納まりを考えている。
次の工程まで想定して動いている。
つまり、
動きが速いというより、無駄な動きが少ない。
これが経験による仕事の上手さなのだと思います。
「何となく気になる」が経験の力
ベテランから、
「ここ、もう一回確認した方がいいぞ。」
と言われることがあります。
図面上では問題がない。
施工も間違っていない。
それでも何となく気になる。
そして確認してみると、本当に問題になる可能性が見つかる。
若手からすれば、
「どうして分かったんだろう?」
と思うかもしれません。
でも、それは勘だけではありません。
過去に見た現場。
過去にした失敗。
過去に起きたトラブル。
何十年という経験が積み重なって、
「何となく気になる」という感覚になって表れている
のだと思います。
若手には、ベテランの「理由」を聞いてほしい
だから若手社員には、ベテランの作業をただ見るだけではなく、
「なぜそうするんですか?」
と聞いてほしいと思います。
なぜ、この順番なのか。
なぜ、この工具を使うのか。
なぜ、ここを先に確認するのか。
なぜ、この施工方法を選んだのか。
そこには、マニュアルだけでは分からない経験が詰まっています。
そしてベテラン社員にも、自分にとって当たり前になっていることを、ぜひ若手へ言葉にして伝えてほしいと思います。
技術を次の世代へつないでいく
会社にとって、ベテラン社員が持っている経験は大きな財産です。
しかし、その技術や経験が一人の頭の中だけにあれば、いつか会社からなくなってしまいます。
だからトップ電工でも、これから、
教える。
記録する。
標準化する。
動画に残す。
若手に実際にやらせてみる。
こうした取り組みを増やしていきたいと考えています。
最近進めている動画マニュアルの整備も、その一つです。
ベテランの経験を、会社の経験に変えていく。
これが大切です。
ベテランがいるから、若手は早く成長できる
若手の成長には勢いがあります。
新しい技術への適応も早い。
一方でベテランには、長い時間をかけて積み上げてきた経験があります。
どちらが上という話ではありません。
若手の吸収力と、ベテランの経験。
この二つが組み合わさった時、会社はもっと強くなると思います。
そして私は、ベテラン社員の本当のすごさは、
自分ができることだけではなく、自分が身につけたものを次の世代に残せること
だと思っています。
「あの人に教えてもらったから、今の自分がある。」
数年後、若手社員からそんな言葉が聞けたら嬉しいですね。
技術を身につけるには時間が掛かります。
だからこそ、その時間を一人ひとりがゼロから経験する必要はありません。
先輩が20年かけて身につけた経験を、次の世代へ渡していく。
そして若手が、そこからさらに新しい技術や考え方を加えていく。
ベテランの経験と若手の成長をつなぐことが、トップ電工の技術を未来へつなぐことになる。
そんな会社にしていきたいと思います。
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ベテランのすごさを感じた場面
2026.09.29
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