銅、高騰止まらず

幅広い製品に使われる銅の国内価格が高騰している。国際価格が最高値圏で推移するところに外国為替市場の対ドルでの円安基調が重なり、国内指標は急上昇し最高値を付けた。伸銅品や電線の取引価格にも波及している。アルミニウムなどの他の金属による代替が進むとの声も大きくなってきた。国内指標となるJX金属発表の銅建値は1日、1トン180万円と2024年5月につけた最高値(175万円)を上回った。昨年末からの上昇率は25%に達する。この数年で銅建値の水準は大幅に切り上がり、25年11月の平均価格は172万6100円と5年前に比べて2倍以上の水準だ。と日経記事にあります。

銅建値はロンドン金属取引所(LME)の価格と円相場が左右する。国際指標となるLME3カ月先物価格は鉱山事故による鉱石不足への懸念から上昇基調が鮮明で、11月28日には約1カ月ぶりに過去最高値を更新した。為替相場も円安基調が目立ち、日本の銅の輸入コストを押し上げている。国内の銅製品の価格はJX金属の建値に連動させることが多い。代表的な伸銅品で水栓金具や自動車部品に使う黄銅丸棒の11月下旬時点の流通事業者間の取引価格(25ミリ、問屋仲間価格)は、1キログラム1417円前後と昨年末比で2割高い。黄銅丸棒は需要が低迷している。人手不足の影響で住宅着工戸数の減少傾向が続き、黄銅丸棒の引き合いも「好転する兆しが見えてこない」(都内の非鉄問屋)。建設向けなどの需要低迷と逆行するように価格が上昇するなかで、代替品への乗り換えが進むとの見方も広がる。

銅相場の高騰と銅電線への波及を踏まえ、電線会社はアルミ製ケーブルの拡販に力を注ぐ方針だ。アルミは銅に比べて原材料費が安く、LME3カ月先物でアルミは1トン2800ドル台後半と銅に比べて4分の1ほどの水準だ。導電性は銅に劣るものの、ケーブルを太くすることで性能を向上できる。ビルや工場向けの電線を手掛ける住電HSTケーブル(大阪市)は「これまで顧客からの要望に受け身だったが、方針を百八十度変える」と既存顧客を中心に拡販する考えだ。一方で銅は導電性の高さなどから他の金属では代替できない分野も多い。データセンター向けに使われる銅箔は人工知能(AI)の普及で引き合いが増え、三井金属はデータセンター向け材料の生産能力を拡張する方針を打ち出している。

調達と提案の強化・在庫戦略の明確化・アルミ電線対応の強化の必要性を感じた記事でした。