提案型営業で飛躍 ルネサス

半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの経営が新章に入った。官民ファンドのINCJの前身である産業革新機構から資本注入の支援を受けて10年が経過。経営危機を脱し、時価総額は一時約5兆円になるなど回復は鮮明だ。と日経記事にあります。

電子デバイスを手掛ける内藤電誠町田製作所(東京都町田市)の大羽慶将マネージャーは21年末、ルネサスの担当チームに問い合わせをした。「地震の揺れを即座に演算しクラウド管理できるような部品を探しているのですが」。すると即座に「演算に使うマイコンと通信機器の組み合わせはどうでしょう」との提案が返ってきた。

ルネサスの提案型営業は「ウィニング・コンビネーション」と呼ばれ、19年ごろから本格化している。センサーや通信情報をデジタル信号に変換するアナログ半導体をマイコンと組み合わせることで、様々な要望に応える。半導体を単品で売るより利益率は高くなる。

営業スタイルの変化はM&A(合併・買収)が背景にある。17年に米インターシル、19年に米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)、21年に英ダイアログ・セミコンダクターといったアナログ半導体の設計開発会社を計1.7兆円で買収。提案する能力を手に入れた結果、ウィニング・コンビネーションは足元で500種を超えた。

近年、後継者不足によるM&Aが流行のような形となっておりますが、ルネサスの目指しているM&Aは販売方法のシナジーを産み出せるものであり、M&Aの本質であるシナジー(相乗効果)とPMI(経営統合プロセス)を突いていると思います。

ルネサスの株価も上がっておりますねー。2020年3月23日時点では株価は最安値の317円でしたが、本日12月22日時点で株価2,514円です。企業価値が8倍にも上がった実績となります。

2020年3月23日といえば、トップ電工の法人登記を行った日でもあります。偶然ですが。その時にルネサスの飛躍を信じる者はいなかったはずですし、トップ電工の未来の可能性を予測できる人もいなかったと思います。過剰な資産を持たず、販売方法の多角化を進め、地道な技術の向上に努めるというこれまでの努力を進化させながら継続していきたいと思います。