電柱損傷3000本、能登の通行阻む
能登半島地震の被災地では多数の電柱が倒壊した影響で、道路が塞がれるなど救助活動に支障が生じた。国は過去の災害の教訓を踏まえ、防災上の観点から緊急輸送道路を中心に「無電柱化」などを進めるが、コスト面でハードルが高い。将来想定される首都直下地震などの災害発生も見据え、メリハリを付けた対策が求められる。と記事にはあります。
電柱の倒壊への備えなど道路の防災を巡っては、大規模な災害が発生するたび、対策の必要性が繰り返し指摘されてきた。阪神大震災では約8100本の電柱が損傷。神戸市などを調査した政策研究大学院大学の家田仁特別教授らのチームによると、倒れた電柱や街路灯の影響により地域によっては道路の2割が通行できない状況になるなどの影響が出た。垂れ下がった電線も妨げになったという。
東日本大震災では津波などによって約5万6000本が損傷。電柱に道路を塞がれ、緊急車両の通行や復旧作業に大きな支障が生じた事もあり、国は防災上の理由に加え、都市景観の向上や通行空間の安全性を高めるといったメリットがあるとして、電線を地中に埋めるなどの「無電柱化」を1980年代から推進してきた。
だが実際には全国の電柱の数は年間5万本ペースで増加しており、2023年時点で約3600万本に上る。「住宅の新築に合わせて新設されてきたことなどが要因」(国土交通省の担当者)という。無電柱化が進まない大きな理由の一つがコストだ。地下に電線や通信線をまとめて収容する「電線共同溝方式」と呼ばれる代表的な手法にかかる費用は1キロメートルあたり5.3億円と、電柱方式の10倍以上の費用がかかるとの試算があります。
新潟市内でも駅前や一部の地域で無電柱化されている道路はありますが、全体からすると僅か1%程度の地域となります。新潟は地盤が軟弱な事も一因なのかなと考えたりします。災害に強い国作りを政府は進めてくれているとは思うのですが、財政面も含めるとなかなか難しい課題なのだとも思います。