特定調停スキーム

「柿の種」を扱う元祖とも言われた長岡市の旧「浪花屋製菓」・現「摂田屋管財」が新潟地裁から特別清算開始の決定を受けました。負債総額は9億8500万円で、事業や従業員は事業承継先の企業が設立した会社に引き継がれています。というニュースは記憶に新しいところですが、その際に利用されたスキームが事業再生型の特定調停との事。

特定調停とは、裁判所で行う民事調停の一つであり、「経済的に破綻するおそれのある者」が経済的な事業再生をはかるために金銭債務の調整を求めて申し立てる事件です。これは個人でも法人でも申立をすることができます。法人については、事業の再生が必要となる場合に利用できる選択肢として「特定調停スキーム」が日本弁護士連合会(日弁連)より策定されています。

特定調停スキームとは、経営困難な状況に陥った会社が、会社更生法や民事再生法によらずに債権者との話し合いにより、債務の減免、猶予などを行い、事業の再建をはかる制度です。特定調停スキームは、弁護士などのサポートで再生計画案を策定して特定調停を行います。個人の債務者が行う特定調停との違いは、特定調停スキームの場合は調停期日前に金融機関との話し合いで合意を取り付けておくという点です。

浪花屋製菓の柿の種と言えば、新潟で知らない人はいないくらい知名度があると個人的には思います。いわゆるブランド価値になると思いますが、新潟を代表するブランドの事業再生の手法として、このようなスキームがある事に驚きと勉強になりました。知識があると言う事はある意味でのアンフェアアドバンテージとなる事を強く感じました。