ニチレイ、低温物流受託の効率アップ

メーカーが製造した冷蔵食品を効率的に運ぶ低温物流網が立ち上がる。ニチレイはメーカーや卸向けに物流拠点間の転送サービスの対象地域を広げる。メーカーはスーパーなど小売店に納品する際、各地域にある複数のニチレイの物流拠点のうち1カ所に配送するだけで済み、複数拠点へ運ぶ手間がなくなる。トラック運転手が不足していることに対応する。と日経記事にあります。

他社の生鮮や冷凍食品の配送などを受託する低温物流事業は子会社のニチレイロジグループ本社が担う。同社は全国約30カ所で「トランスファーセンター(TC)」と呼ばれる小売事業者専用の物流拠点を運営している。TCではニチレイが各食品メーカー・卸から冷蔵食品などを受け取り、店舗別に仕分けて店舗に配送する。利用する小売事業者はイオングループやライフコーポレーション、ヨークベニマルなど12社で、店舗数は全国計約2200店舗。基本的にTC1カ所につき小売り1社が専用で利用する。

2024年に東北エリアで始めた転送サービスを全国に広げる。従来、小売事業者が複数のTCを利用する場合、メーカー・卸が商品を全店舗まで行き渡らせるには、各地のTCへ個別に納品する必要があった。サービス導入後は最寄りの1カ所にまとめて納品すれば、ニチレイがほかのTCに全て転送する。ニチレイは東北地方で小売り3社用に計約10カ所のTCを運営している。メーカー・卸の数は延べ約1300社で、このうち約400社がサービスを利用している。関東、関西・中四国でも、それぞれ約10カ所のTCを運営しており、今後は両エリアでもTC間の輸送網を構築してサービスの本格稼働を始める。

サービス導入により少量納品にも対応できる。物流網がなく拡販できなかったメーカー・卸にとっては小売事業者との取引を拡大できるメリットもある。ニチレイはTC間の商品の転送において、同じ行き先の複数メーカー・卸の商品をまとめてトラックに積むことで輸送効率を高める。ニチレイロジグループはリスク低減に向け、長距離輸送が主体の幹線輸送も強化する。低温トレーラー(荷台部分)とヘッド(けん引する車部分)を切り離して交換できるトラックを運用している。28年3月までにトレーラーの数を従来の2倍の約100本に増やす。地域間の双方向の輸送において中継拠点で折り返し運行をすることで、長距離輸送を抑制する。

ニチレイは「冷凍食品メーカー」から「低温流通のOS(基盤)」へ進化しつつります。短期的な利益最大化よりも、業界構造・労働制約・人口減少を前提にした10年スパンの布石として、非常に経営的に筋の良い一手だと感じました。冷凍食品市場の勢いは今後も続きそうですね。