ニデック(旧日本電産)による工作機械のTAKISAWAへのTOB
ニデック(旧日本電産)が14日開始した工作機械のTAKISAWA(旧滝沢鉄工所)に対するTOB(株式公開買い付け)は、日本のM&A(合併・買収)市場に一石を投じた。永守氏は日本経済新聞の取材で「企業価値が低い企業にこの手法を使えば、M&Aが活性化し、国益につながる」と述べた。7月にTAKISAWAの同意がないままTOBを予告。これに対しTAKISAWAは開始前日に賛同すると発表した。TOBが成立すれば、TAKISAWAはニデックの子会社になる。
工作機械の分野でNo1を目指すニデックと顧客層拡大と共同購買でコストの更なる削減効果を期待するTAKISAWAの利害が一致したM&Aとの印象を持っていますが、TAKISAWAの経営陣は正しい判断をされたと個人的には思います。
TAKISAWAの会社情報を調べてみると、近年は売上は伸び悩み気味で利益率も低い傾向にあります。必然的に社員さんへの賞与支給額も減る傾向にあり、社員平均年齢40歳で平均年収は518万円とあります。岡山に本社を置く会社で上場企業としては少し低い水準なのではとの印象を持ちます。
TAKISAWAのような歴史と高い技術力のある企業が、グローバルな販路と調達力を有するニデックの子会社となれば、業績は上向く事が予想されます。そこで働く社員さんの豊かさにも繋がっていくと思いますので、まさに国益につながるものとなると感じます。ニデックの永守会長はM&Aを成功させる事で有名な経営者ですが、常に事業のシナジーとPMIを意識されている実の伴うM&Aを行う経営者として尊敬しております。経営の考え方を学ぶ活きた教材としてこの件は注視しておりました。株主価値の向上も大切ですが、自分としては働く社員さんの幸せも同じくらい大切に思う経営をしていきたいと改めて考えさせて頂きました。