公衆トイレ変身 清潔感・設備拡充
公衆トイレの「高価格化」が進んでいるようです。工事費は過去10年で倍増し、1億円を超える例も出てきているとの事。外観や内装に清潔感を持たせ、様々な人が使える設備の導入が広がる。「暗い」「汚い」印象を払拭し、街の顔に育てる自治体の動きもあるようです。
公衆トイレの「価格」を知る一つの目安に工事費があります。建設物価調査会(東京・中央)のサンプル調査によると、21〜22年の公衆トイレの1平方メートル当たり工事費は約98万円。06〜10年の51万円のほぼ2倍となっています。工事費の上昇は資材高も一因となりますが「暗い」「汚い」という公衆トイレのイメージを変えたい自治体の意向も大きなものがります。国土交通省が16年に実施した調査では、公園などの公衆トイレを「利用する」と答えた女性は9.7%にとどまったという調査結果もあります。
中国の春節需要が話題となっていますが、訪日客が増え、観光地や都市部では公衆トイレの充実が課題となっています。快適なトイレの不足は観光体験の質を下げる結果となります。清潔なトイレを備えた大型施設がない地方の観光地にとって、公衆トイレの質向上は避けられない課題ではないでしょうか。岡山市は17年春、市中心部にある「西川緑道公園」のトイレにネーミングライツ(施設命名権)を導入。地元の電気工事会社が権利を取得。施設に企業名をつける代わりに改装の費用や日々の清掃業務を負担している事例もあります。
同じ電気工事会社として、公衆トイレのネーミングライツを取得するかどうかは微妙な判断となりますが、あらゆる場所でトイレが清潔な事と人が賑わい繫栄する事は因果関係があるような気がしております。