すべては経営者次第
34年ぶりの日経平均の最高値更新は企業の稼ぐ力の重要性を改めて浮き彫りにしている。経営者の使命は長期利益、すなわち資本コストを上回る持続的な利益の創出の一点にある。企業価値だけではない。顧客満足も結局、長期利益に反映される。企業の社会貢献の王道は社会的目的のために使える原資を創出することにある。利益を出し納税する。そこに企業の社会貢献の本筋がある。喫緊の課題の賃上げにしても根本は同じだ。元手がなければ労働分配はできない。稼ぐ力こそが持続的な賃上げを可能にする。長期利益はすべてのステークホルダー(利害関係者)をつなぐ経営の王道だ。と日経記事にあります。
利益の源泉には、持続性が低いものから高いものまで異なるレベルがある(図参照)。単純に外部環境の追い風(例えば為替や景気や「巣ごもり需要」)が利益を生んでいるという状態がレベル1だ。追い風が止まれば利益は消失する。
レベル2は事業立地そのものから生まれる利益だ。成長性や収益性が高い業界もあれば、もうかりにくい競争構造の業界もある。競争戦略の要諦は業界の中で独自のポジションを確立することにある。顧客から見て「ベター」ではなく「ディファレント(ほかにない)」な存在になるということだ。品質や機能が他社より優れていても持続的な競争優位にはならない。比較級の差別化ではすぐに追いつかれるので、長期利益はおぼつかない。日立のIT事業ではデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の「ルマーダ」など独自のポジショニングが利益の源泉になりつつある。
半導体製造装置業界の中で東京エレクトロンは河合利樹社長の下で戦略に磨きをかけてきた。首尾一貫した戦略ストーリーが長期利益を生み出すレベル4にある企業の好例だ。鍵となる4つの連続工程で強い装置を持つという独自性を武器に、顧客企業の懐に深く入り込む。とあります。
2024年度の建設投資72兆円と試算されておりますが、官民共に堅調な推移をすると思われますが、足元での人手不足に加えて働き方改革関連法適用という逆風とも取れる条件も加わりますが、事業立地・ポジショニング・戦略ストーリーをどう組み立てていくかは経営者の自由と考えております。自分なりに考える未来予測を、毎日の作業で一歩一歩的確なものにしていきたいと思います。