生成AI、守秘義務の議論を急げ

米オープンAIとグーグルが生成AI(人工知能)の最新モデルの提供を発表した。両社とも自社製品が大量の文書の処理、音声・画像・映像など自然言語以外のコンテンツの入出力・処理を可能にし、処理も高速化したことを強調した。その技術進歩は著しい。と日経記事になります。

生成AIが大量の文書や自然言語以外のコンテンツの処理にも利用でき、RAGの手法により専門領域における生成情報の信頼性が高まるとなれば、裁判実務をはじめ法律実務における生成AIの利活用のニーズが高まるだろう。

もっとも、生成AIには著作権侵害や悪用のおそれのほか、機密情報漏洩などの危険性も指摘されている。生成AIの提供事業者はユーザーの入力情報をモデルの学習に利用できる場合がある。弁護士が裁判文書などを生成AIに安易に入力した場合、当該提供事業者に対する秘密の漏示があったとして守秘義務違反などの責任を問われかねない。

他方で、そのために弁護士が利用をためらい、ユーザーが不在となれば、生成AIを用いたリーガルテックの発展が阻害される可能性もある。そこで、個人情報保護法における「クラウド例外」のように、一定の要件の下で生成AIへの事件情報の入力が守秘義務に違反しない、とすることの可否及びその要件についての議論に、早急に着手することが望まれる。

弊社においても7月よりトップ電工専用アプリの作成依頼を、東京のシステム開発会社様に行います。技術資料・積算資料・現場での材料発注・教育資料・就業規則など、これまで主に紙で伝達されていた業務を順次iPad内のアプリで完結するシステムを構築していきます。その中で生成AIを活用する事も決定しておりまして、「クラウド例外」のような措置は必要だろうと考えておりました。当事者問題としてタイムリーな記事でした。