「建設2024年問題」に正面から対峙
公共工事や古民家再生を手がける高木建設(長野市)は、残業規制が強化される「建設2024年問題」に対応しようと帳簿のデータベース化などデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める。女性やシニアなど全ての人が働きやすい職場を目指す改革も続けており、4年前に11%だった離職率を2%まで低下させた。と日経記事にあります。
23年10月に就任した高木亜矢子社長は「社長の娘として会社への思いは強かったが、自分が引っ張って改革していこうという思いはそこまでなかった」と振り返る。転機となったのは、病気などによる社員の長期療養が続き健康経営や人材確保が急務となった8年ほど前。「息子が会社を継ぐかどうかは分からないが、それまでは会社を存続させたい」という気持ちが原動力となった。
女性技術者確保などは先行して対応していたが、残業規制が強化される「建設2024年問題」の対応にも22年ごろから本格的に取り組んだ。長野市のDX伴走支援を取り入れ、基幹帳票のデータベース化を完了した。
災害などの現場ではドローンによる撮影や図面の3D化も進める。社員への安全教育やインターンシップの職場体験では仮想現実(VR)ゴーグルも活用する。今後は社員全員に業務効率化の施策を考えてもらうためのDXリテラシー定着を進める。
工事施工に関係するデータの整理や提出書類の作成などを担う職種「建設ディレクター」育成も進む。現場で働く技術職の長時間労働の軽減に加え、リモートワークも活用できる職種であるため育児などとの両立も期待できる。
女性技術者の採用、女性も働きやすい環境整備に力を入れてきた。女性専用トイレや更衣室の現場への設置から始まり、作業服やヘルメットも女性の意見を取り入れたものにした。
社員には自作カルタで女性特有の健康問題への理解を深めてもらい、協力会社も集まる安全大会ではハラスメント厳禁を徹底するよう繰り返し呼びかける。現状は社員約90人のうち14人が女性で、女性技術職も6人いる。
きつい・汚い・危険の「3K」職場といわれる建設業界は人手不足が深刻だ。高木建設はDXと社内改革によって女性やシニア、介護中の社員など全ての人が活躍できる環境づくりを更に進める。
非常に興味深い記事と思いました。弊社においても当てはまる対策においては順次取り入れていきたいと思います。