電線素材、アルミに脚光
太陽光発電所などで使う電線ケーブルの素材を銅からアルミニウムに切り替える動きが出ている。銅価格の高騰で銅線の窃盗が増えるなか、アルミ価格は銅の3割ほどと割安で盗難防止が期待できる。ケーブルを太くすれば性能面も問題ないとあって、引き合いが増加している。と日経記事にあります。
2024年は銅の高騰が際立った。JX金属が発表する銅の国内取引価格の基準である建値は、24年の年間上昇率が13%だった。電気自動車(EV)や太陽光発電所向けの需要増を意識した国際価格の上昇に加え、外国為替市場での円安基調が押し上げた。25年も高止まりが続き、28日時点で1トン144万円で推移している。5年前と比べれば約2倍の高水準だ。
銅は電気を通しやすく古くから電線ケーブルに使われている。銅建値の上昇に伴い電線価格も上昇している。太陽光発電所で使われることが多い代表的な品種CVケーブル(架橋ポリエチレンケーブル、2しん14平方ミリ)の1月時点の価格は1メートル591円前後と24年初から16%高い水準にある。
国内での盗難急増もあり、脚光を集めるのがアルミ製のケーブルだ。アルミは銅に比べて原材料費が安い。国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物でアルミニウムは1トン2600ドル前後。9100ドル近辺の銅と比べると3割ほどの水準だ。
アルミケーブルの販売は好調だ。電線大手の古河電気工業では、太陽光発電施設など向けの「らくらくアルミケーブル」の24年12月の売り上げが前年同月比35%増と急増した。24年度の売り上げ規模は20億円を見込んでおり、25年度は前年度比25%増の25億円を目標としている。電線のアルミシフトは中長期的に価格の上昇要因として意識される。丸紅が24年12月にまとめた市況見通しによれば、25年の世界のアルミ需要は前年比2.6%伸びる予想だ。日本のみならず世界的に送電線への投資が拡大する見通しで、電力関連のアルミ使用量は同5.0%増と見込む。
電気工事会社だけに「ふーん」と興味を引く記事でした。