若者から逃げるな、パナ5割知らず

パナソニックを若者の半数が知らない――。2022年春、社長らが出席して開かれたパナソニックホールディングスの執行役員会。ブランド調査の資料を見た幹部は目を疑った。パナソニックの20代の認知度53%。「そんなわけがあるか」
経営の神様、松下幸之助氏が生んだ会社、「パナソニック」「ナショナル」で知られた世界最大級の家電メーカー。海外勢に押されることが目立つようになったとはいえ、日本を代表する企業・ブランドの自負がある。そのパナソニックをいまの若者はよく知らない。と日経記事にあります。

調査は日本だけのもの。海外での認知度を考えると手をこまぬいているわけにはいかない。広告を増やすなどして立て直しを急いだが、数年前まで9割前後あった認知度は最新の調査でも7割台にしか戻っていない。「若い人が使う商品が少ないのが最大の理由。街で見かける商品は自転車くらいしかない」。楠見雄規社長は語る。そして危機感をあらわにする。「このまま恐竜のように化石になって死ぬわけにはいかない」
オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾートは23年度の来園者に占める40代以上の比率が5年前より12ポイント高くなり33%になった。3人に1人が中高年だ。調査会社によるとLINEヤフーのインターネット通販「Yahoo!ショッピング」も50歳以上の利用が5割に高まった。
代償は大きい。世界の20代以下の若者が買い物やネットに費やした消費額は24年、前年比3%増の18兆ドル(約3000兆円)に達したことがわかった。全体の3割を占め、世代別で最大だ。欧州の調査会社、ワールド・データ・ラボの調査で明らかになった。

「リゲイン」。24時間戦えますかのCMで知られる栄養ドリンクが24年春、店頭から消えた。発売から36年、主力商品からの撤退を強いられた。栄養ドリンクは「リポビタンD」など日本企業が生んだ。英ユーロモニターによれば24年の国内市場は1700億円と10年で1割減った。低迷が続く。
対照的なのがオーストリアの「レッドブル」などのエナジードリンクだ。世界市場は約11兆円と2倍になった。レッドブルは創業者が日本の製品に着想を得て起業した。日本がつくった産業を事実上、海外企業に奪われた。勝敗を分けたのは若者だ。レッドブルはターゲットを20歳前後に定め、販促活動を大々的に展開する。栄養ドリンクは中高年中心に絞ったことで、世界ブランドへの飛躍はおろか、復活の兆しすら見つけられない。

持続的な成長もできなくなる。20年後、20代以下の世界の若者が40代以下になったとき、収入の増加で消費額は3倍の56兆ドルまで膨らむ。中高年の需要を取り込もうにもブランドが親しまれていなければ関心を引きにくい。人手不足も世界で深刻化する。人材の争奪戦でも不利になる。
弊社の社員平均年齢30代前半と若者が多いですので、採用時も入社からもどんな制度や対応が嬉しいのか・悲しいのか、そんな事を考えながら経営をしております。ですが、最終的には人間関係ですので、ジェネレーションギャップがあろうとも、自分という人間を飾る事無く出して接しているのが実態ではあります。若者を意識するというよりは、時代の風や未来の変化を読む力が求められるのかなー、と思います。