積水ハウス系、「業界最多」大工1000人体制に

積水ハウスは7日、グループで雇用する住宅建設の職人を2033年までに現在より7割多い1000人に増やすと発表した。職人は大工と呼ばれることも多く、1000人規模は住宅大手でも珍しい。建設現場はベテランの団塊世代が75歳以上となって引退する「2025年問題」が懸念されている。職人を率いる一部のリーダーの年収を4割増やすなど待遇面も改善し、人手の確保を急ぐ。と日経記事にあります。

積水ハウス建設HDは傘下に積水ハウス建設関西など8社の建設会社を抱える。戸建て住宅などの基礎や鉄骨の組み立て、内装工事を担う職人が計590人(4月1日時点)在籍する。25年は高卒者を中心に134人を採用した。前年と同水準だが、21〜23年の3年間の年平均と比べると3.8倍になる。当面130人前後の採用を続け、8年後をメドに1000人規模に増やす。新入社員は職人候補として、全国に3カ所ある訓練センターで半年ほど研修を受ける。

採用を強化する背景には深刻な人手不足がある。厚生労働省によると、24年度の建設業(採掘含む)の有効求人倍率は5.13倍と、10年で2倍近く上昇した。鉄筋組み立てなどの建設軀体(くたい)工事従事者に限ると求人倍率は8.56倍に跳ね上がり、国内全体(1.14倍)やサービス業(2.96倍)などと比べ突出している。総務省の労働力調査から算出すると、24年の建設業の就業者に占める29歳以下の比率は12%に対し、60歳以上は26%を占める。就業者全体での比率はそれぞれ17%、22%で、建設業は他業種にも増して高齢化が顕著だ。

積水ハウス建設HDの三宅寛・総務人事企画部長は「自社で1000人の職人を抱える同業他社はいない」と強調する。「現状でも施工は問題なくできるが、ベテランの退職が進む中、将来の品質の担保という点で不安は残る」とし、職人の育成のため「待遇を改善し、よりよい環境で研修できる体制を整えた」と話す。

4月に初任給を前年比3%増の20万800円(都市部)と3年連続で伸ばした。現場のチームを率いるリーダーである「チーフクラフター」の待遇も大幅に見直し、社内でも特に評価の高い30〜40歳代の2人のリーダーは年収を前年比40%以上増の約850万円に引き上げた。訓練センターで講師役を務めるトレーナーは26年1月末時点で37人と、前年から5人増やす予定だ。従来はトレーナー1人につき約20人の新入社員を担当していたが、今後は15人以下にして訓練の質を高める。

ベテラン社員の処遇改善と若手の育成をバランス良く行っている印象を持ちました。弊社においてもそうなのですが、自社の職人さんは本当に頼りになります。見ている未来の視点に共通するものを感じた記事でした。