VAIO、「再生PC」法人向け販売

パソコン(PC)メーカーのVAIO(長野県安曇野市)は21日、経年劣化したPCを買い取り、部品を交換して「再生PC」として法人向けに販売する事業を始める。価格は新品の6割ほどを見込む。調達コストを抑えたい中小企業などを開拓する。今後はグループの強みである法人向け携帯電話とのセット販売なども視野に入る。と日経記事にあります。

法人向け主力製品「Pro PK」シリーズの2021年モデルなどを販売先から買い取る。CPU(中央演算処理装置)や映像を処理する「グラフィックボード」などの主要部品は残し、PCを冷却するファンや外装部分などの消耗品を交換する。原則1年間の保証付きで10万円ほどで販売する。同程度の性能の新品に比べて4割ほど安い。法人向けにPCリースを手掛ける三菱HCキャピタルITパートナーズ(東京・千代田)が既に取り扱いを検討している。26年3月期に5000台の販売を目指す。

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法人向け再生PCを手掛ける企業が少ない背景には、自社の新品PCの需要を奪う懸念もある。VAIOの法人向けPCの販売先はほとんどが大企業で、安価な再生PCは中小企業の引き合いが強いとみる。VAIOの山野正樹社長は新品との需要の食い合いは限定的とみており、「新規顧客の開拓というメリットの方が大きい」と話す。教育機関などの販路も開拓する。グループでの連携も進める。VAIOは1月にノジマの子会社となった。同じノジマ傘下のITXとコネクシオは法人向けの携帯電話販売を手掛けており、VAIOのPCとセットで販売する「クロスセル」(併売)を進めている。再生PCがラインアップに加われば、グループ内の相乗効果が高まる。

VAIOの再生PC事業は「新品主体のPC市場」に新しい風を吹き込む試みだと思います。特に中小企業・教育機関という新しい顧客層を掘り起こし、ノジマグループ内での相乗効果を狙える点で、単なるコスト戦略ではなく、長期的な顧客基盤拡大につながる可能性があると感じました。