ぴあ、脱チケット専業宣言

チケット取次大手ぴあは主催や制作に関わるライブ公演を増やす。2025年度は約700公演と24年度より1〜2割拡大する考えだ。矢内広社長はイベント企画から施設運営まで手掛ける総合エンターテインメント企業に脱皮する考えを語った。新型コロナウイルス禍が明けてライブ需要が戻るなか、ハードからソフトづくりまで担う企業に変える。と日経記事にあります。

ぴあ総研によると2025年の国内ライブエンタメ市場は7200億円と、調査を開始した00年以降で過去最高を更新する見通しだ。30年には7600億円まで拡大するとみている。ぴあは売上高の約8割がチケット販売で占める。今後はライブエンタメを構成するコンテンツ創出、舞台となる施設運営、コミュニティーづくりを進める。24年度は600公演を主催や出資、制作で関わる見通しで、25年度は1〜2割増やす考えだ。

チケットに特別な体験を付けた「ホスピタリティプログラム」の実施に乗り出した。サッカーやラグビーといったスポーツ観戦だけでなく、オペラやバレエといった舞台鑑賞でも、選手や演者と触れ合ったり食事を楽しんだりといった特別なサービスを用意する。価格は1人数万〜数十万円程度と一般的なチケットに比べ高額だ。

ホスピタリティプログラムは欧米のスポーツ業界ではすでになじみ深い取り組みで、スポンサー収入に並ぶ収益の柱になっている。ぴあはサッカーやラグビーといったスポーツ観戦での展開に加え、24年11月から新国立劇場(東京・渋谷)のバレエやオペラの公演で、8万〜10万円程度のプログラムを開催。観劇前後の飲食や、公演後の出演者との交流などを楽しめる。

施設運営にも取り組んでいる。20年にはぴあアリーナMM(横浜市)を開業した。豊洲PITや仙台PITの運営引き継ぎに続き、26年度には東京・八重洲の再開発ビル内に入る800席程度の劇場の運営を担う予定だ。運営する施設一帯を来場客が回遊する仕組みづくりも乗り出す。ぴあアリーナMMのある横浜市とは食品のパンのイベントなどを開催する。

雑誌ぴあが創刊したのは1972年。2011年に休刊したが、ぴあは日本の主力エンタメ情報メディアとして存在してきた。今はネット社会となりSNSで情報が飛び交うなか、情報発信だけでは成長が難しい時代になった。エンタメの伝え手から作り手に変われるか。雑誌創刊から半世紀あまりたち、変革のときを迎えている。

ぴあが大胆な経営改革を進めている興味深い記事でした。創刊から53年が経ち、エンタメの領域も求められる事が変化していて当然の年月です。建設業も週休二日制の定着やDX推進など、少しずつ変化をしていると感じております。お客様も満足頂き、社員にとっても満足公平な企業のみが生き残る競争社会です。時代の風を感じながら、地道に努力をしていこうと考えさせる記事でした。