従業員30万人 リスキリング

米小売り大手ウォルマートは毎年30万人の従業員にリスキリング(学び直し)の機会を与えていくと表明した。30万人は全従業員の15%にあたる。オンラインに販売の主軸が移り、人工知能(AI)導入を進めるなか「単純労働」はなくなると判断した。米国の最大雇用主である同社の方針は、他の企業にも波及しそうだ。と日経記事にあります。

店舗で荷出しや顧客対応、オンライン注文の発送作業などを担当していた従業員がリスキリングの対象だ。自動化装置の保守、空調や冷蔵の電気機器の管理など、資格が必要な技能職への転換を促す。なぜリスキリングが必要か。「手作業の荷詰めや簡単な機械操作はもう必要ない。新しくてより高度なスキルが求められるようになっている」。RJ・ザネス副社長は、単純労働は必要なくなっていくと説明した。

ウォルマートは米国の小売企業の中で勝ち組とされる。だが一方で、今の人員配置では将来の変化に対応できないとの危機感が高まっている。他店よりも大幅に安い価格設定で集客を維持してきたが、米国の小売りチャネルはすでに店舗からオンラインに移った。2024年11月~25年1月期には四半期ベースで初めて、電子商取引(EC)専業のアマゾン・ドット・コムに売上高世界一の座を奪われた。

ウォルマートは「現場出身」のCEOが続く。店長に昇進する道をパートタイム含めてすべての従業員に開いており、教育支援も惜しまない社風で知られてきた。「これまでは外部業者を利用してきたが、コスト上昇が続いている。技術者を内部で雇用する方が低コストで合理的だ」。ザネス氏はリスキリングにあわせ、外部に委託している業務を社内に戻していく意向も示した。

人的資源が全てのような建設業においても、リスキングが必要な分野は多々あると記事を読みながら考えたりしました。企業に完成形はどこまでいってもないのだと改めて理解致しました。