北海道ー本州の海底送電線に公的保証案

北海道と本州を結ぶ海底の送電線整備を巡り、政府が民間融資を公的に保証する案が浮上していることがわかった。総工費は最大1.8兆円で、まとまった初期資金が必要となる。国家プロジェクトとして位置づけが明確になれば、金融機関の融資を呼び込みやすくなる。と日経記事にあります。
全国の電力需給を監視する国の認可法人・電力広域的運営推進機関が管轄する。2月に入札結果を発表し、応募資格を満たしたのは東京電力パワーグリッド(PG)など4社で構成する陣営だけだった。東電PG陣営は12月までに事業計画を提出し、国による審査を経て2026年3月にも正式に事業者として選ばれる見通しだ。工期は6〜10年程度を見込む。総工費は1.5兆〜1.8兆円と単一の送電線としては国内最大規模になる。
同案件はプロジェクトファイナンス(事業融資)が前提となる。東電PG陣営は応募の意思を表明する際に条件として「公的機関からの債務保証」を要望した。

都心部を中心に通信量の増大を見据えたデータセンターの建設ラッシュが続く。データセンターは大量の電力を消費するため、将来の電力需給逼迫が予想される。日本では大手電力会社がそれぞれの地域ブロックで設備投資を続けてきた。地域間の電力融通が進んでおらず、地域間送電網の利用実績は23年度時点で1167億キロワット時だった。日本の総発電量(約1兆キロワット時)の1割程度にとどまる。
海外では初期投資がかさむ海底送電線の建設に公的な支援を付ける例がある。21年に運転を始めたドイツ・ノルウェー間の海底送電線は必要な費用18億ユーロ(およそ3000億円)のうち、8.8億ユーロに政府系銀行からの融資や保証を活用した。オーストラリアは州間を結ぶ海底送電線の建設費用の一部を連邦政府や州政府が出した。

データセンターの増加、地政学リスク、世界のボーダーレス化に海底ケーブルの需要が増していると認識しております。