ホシデン、高圧線の損傷 予兆検知 

電子部品製造のホシデンは工場などの火災や停電を防止するため、敷地内に引かれた高圧ケーブルの損傷の前兆を検知する機器を開発した。価格を既存の他社製品の半分以下に抑えた。高圧ケーブルに起因する事故は国内で年間数百件にのぼる。バブル期以前に建てられ、老朽化した工場が多く、対応が課題になっている。と日経記事にあります。

高圧ケーブルの劣化を常時監視できる高周波電流センサーを2026年に発売する。絶縁体損傷の前兆になる部分放電を検知する。工場や商業施設に引かれている高圧ケーブルは老朽化などによって絶縁体が破損して短絡(ショート)などを起こし、操業停止や火災を招く危険性がある。同様のセンサーは海外メーカーなどが手掛けている。ホシデンの担当者は「現在使われている他社製品は実験用の機器として開発され、価格が100万円程度するものもある」と説明する。ホシデンは得意のセンサー技術も活用し、価格を既存品の半分以下に抑えた。将来は年間数百台から数千台の販売を目指す。

センサーで常時監視できれば安全性は高まる。「設備の老朽化が進み、年1回の定期点検では限界を迎えている」(ホシデン)という。国土交通省の調査では2018年1月1日時点で、1990年以前に建設された工場・倉庫の延べ床面積は4億7千万平方メートルと全体の5割超を占める。バブル経済期に建てられた工場などの施設は多く、安全対策へのニーズは高いとみられる。

電力会社は工場向けの診断サービスを始めている。22年に開始した九州電力は、センサーで受け取った情報を人工知能(AI)などを使って分析し、顧客企業に報告する。ホシデンはこうしたサービス事業者への機器供給も想定している。