ユニクロ国内売上高、アパレル初1兆円超え

ファーストリテイリングの2025年8月期の国内ユニクロ事業売上高が、前の期比10%増の1兆300億円前後になったことがわかった。アパレル企業で国内売上高が1兆円を超えるのは初めて。新型コロナウイルス禍を経てこの数年停滞していたが、店舗の大型化やデータ活用による需要予測で売り上げを大きく伸ばした。ファストリは国内でユニクロを784店(8月末時点)展開する。国内ユニクロ事業の売上高はこの店舗に加え、電子商取引(EC)サイトやフランチャイズ10店舗からのロイヤルティー(権利使用料)収入などを含む。ユニクロ1号店の開業から41年で1兆円の大台に達した。と日経記事にあります。

この5年で30店以上減らし、1店舗あたりの平均売り場面積を10%広げた。店舗を大型化して取扱商品を増やし、買い回り需要を高めた。直営店の1店舗あたりの平均売上高は24年8月期に9億9253万円と20年8月期比で13%増えた。23年には「経営コックピット」というプラットフォームを立ち上げた。オンラインストアの商品レビューやカスタマーセンターに寄せられた顧客の声など3000万件以上を収集し、独自の新素材を使ったニットの開発や既存商品の改良に生かした。プラットフォームは国内外の店舗とECの商品の売れ行きや、倉庫と店舗の在庫などもリアルタイムで把握できる。データを基に独自のアルゴリズムで需要予測を立て、工場の生産計画と連動させた。必要な商品だけを迅速に生産し、販売までの時間を短縮した。ニーズの低い商品は生産を減らして売れ残りを防いだ。

英仏の著名デザイナーと連携した「UNIQLO:C」「Uniqlo U」は新たな顧客を開拓した。しかし、関係者によるとファストリの柳井正会長兼社長は「売れているのはコラボレーション(連携)品ばかり」と周囲に漏らしているという。自社製品の魅力向上も課題だ。ファストリのグループ全体をみると、連結売上高にあたる売上収益は25年8月期に前の期比10%増の3兆4000億円、純利益が10%増の4100億円とともに過去最高を見込む。

世界のアパレル業界ではファストリは3位だ。首位は「ZARA」を運営するスペインのインディテックスで、25年1月期の売上高が386億3200万ユーロ(約6兆7000億円)。2位のスウェーデンのH&Mは24年11月期で2344億7800万スウェーデンクローナ(約3兆7000億円)で背中が見えてきた。